クルミ

去年の冬の前に手にしたクルミの木は、立ち木の状態で腐れが進んでいる木だった。一見問題なさそうなところを木取りしても、削り進めるとあれっというところが出てくるので、難儀しながらもなんとかものにできないかと考えたり、試したり。

先日製材所で、気になっていたことを話したら、こういうことは製材の段階で目で見てよく分かるらしく、ああこれは腐る前の段階だねと教えてくれた。そんな訳で、触っているとしっくりくる感じや、何か(腐れ)縁を感じていたこともあって、残っていた共木(同じ木)の板も連れ帰る事にした。

板の幅や大きさに比べ、できるものは小さくなったり、取れる形に制約があったりはあるのだけれど、やるんじゃなかったと思うこと、思うようにいかない事や、想っても見ないことに出会う機会はたくさんある。まあ木に向き合うことはそんなことばかりだけど…。

なるべく、より明るい方へと目を向けながら、なるように形にできないかなあと思っている。