ここ最近の世情からという訳ではないのだけれど、少し無意識にも意識的にも戻ることを自然としている。数年前に納品した椅子と再会して、座面を板座へと変更した。もともと考えていたことと違う形ではあれ、できる限り生活に添った形へと変わった姿に、思ったほど違和を感じずに受け入れられたように思う。
作った時には想像できていなかったことで、ご迷惑をお掛けしてしまったけれど、手を入れさせて頂けて、素直に良かった、ありがたいと思いました。
その他にも、形にはしたもののどこかで引っかかっていた皿に手を入れなおしたり、ここ数ヶ月、前に前にと進んでいくことに取り組んでいる中ではできなかったことが戻ることなのかもしれないなあと思った。
引っかかりや違和感はいたるところにあって、見過ごしたようなことや、見ないようにしてしまったことも、どこかでまた戻ってやり直しができるとしたら、その機会をありがたく思い、手を尽くしたいなあと思う。
戻ることで、むしろこれからに向いていけるように思った。