ふんぎり

4月。すっかり新緑が眩しい季節になった。

川辺にいた鴨たちはすがたを隠して、田畑ではツバメを見かけるようになった。光も強くなり、朝の散歩も眩しく、強い日射しへと変わってきた。いつまで外へと歩きに行けるのだろうか。

春から夏にかけての展示、出展予定の制作をいくつか同時に進めている。今年は時間に余裕を持って行こうと思っていたはずだったけれど、予想外のこともあってあれよあれよと時間はなくなるものだなあ。いつも少し足りないくらいがちょうど良いのかもしれない。

大きなボウルを少しづつ、作りはじめた。取りかかるまでに、気持ちのふんぎりも必要で、なかなかに手をつけられなかったが、やっと重い腰を上げてみる。

大きさはひとそれぞれになんとなく選んでいるものなのだと改めて思う。つくるものの大きさは自分にしっくりとくるものがやはりあって、大きくても、小さくても、それはなんとなく自分の範囲の外にある、そんな感じがしている。

大きいものは素材の力が大きい分、その力を借りてものができる。だけど、差し出すこちらの力もその分ちゃんと要るのだと思う。一つ一つ、簡単にはできてくれはしないことがあたりまえだった。

それでもあらたな感覚がやはり枠の外にはあるのだと感じている。

無理が利かないことをひしひし実感し始めた年頃。

いろいろバランスをとりながら、こつこつ、少しづつ進めていこう。