今日はバレンタインデー、そう忘れられない日。チョコレートを連想するが、うちではもっと深い色の黒、ひかりの命日だった。たった一年、もう一年、不思議な一年だった。

朝同じように散歩をしながら、あの時見た空を思い出していた。見返してみると記憶のなかの空は、その時の写真とも、今日の空ともどれも違っていた。

今日はたまたま二人を病院へと連れて行く、生後半年を過ぎ去勢手術をすることになった。車で向かう道すがら、順番を待っている時、いろいろ思い出す。透き通った緑色の目、まあるい頭のかたち、いつまでも幼く感じた雰囲気、何事にもさっぱりとした性格。

　　

君たちがいたから、彼らとまた暮らしているよ。少しでも長く、一緒に居たいね。