夢の啓示。在店を終えて

2.22日から始まったヒナタノオトさんでの展示、「灯し、照らす4人の仕事」に初日、2日目と在店をしてきました。

お越しいただいた皆様、作り手の方々、ヒナタノオトの皆さんと、本当にお世話になりました。良い出会いをありがとうございました。

おかげさまであたたかい気持ちでいっぱいになっています。緊張がほぐれるのに2日を要し、2日目に皆さんの輪の中に和やかに立っている自分が不思議な気持ちになりました。

作り手の作るものの背景にある、思考の跡や、こうありたいと思うこと、その人らしさのようなもののかけらに触れることができ、自分自身と響き合うのを感じることができてよかった。これで良いんだよと励まされたような気持ちです。

まだまだ騒つく心を抱えているときは、散歩が一番で、気持ちの整理をしたいとき足が向くのは、近所の高台にある森林研究所です。盆地が見渡せて、視点を変えることができて、少し落ち着きます。

そこで恩師のことを思い出しました。

学生時代の恩師は優しくて、面倒見がよくて、その優しさを不器用に隠すような人でした。お酒が好きで、飲むと照れ屋の箍が外れ、核心に迫るので上手くかわせない僕はいつも緊張をしていました。

夢の啓示とは、そんな恩師が言っていたことで、ずっと物事を考え続けていると夢に答えが現れる、それを忘れてしまわないようにノートを枕元に置くという話です。時々この話を思い出すことがあります。

それは、自分が考えていること、バラバラなことそれが何かの拍子にピタッと繋がって、ああそうだったのかと腑に落ちる、そんな思いになるからかもしれません。

僕はなんでもないものを作りたいと思っているけれど、それはどこから来るのか、そのことを考えていました。工房からの風と、そこから続く今までの日々に頂いたいくつかの出会いのなかで、使い手の方の暮らしや生き方に触れることができるような瞬間があり、それが自分が大切にしたいと思っていることに響いたことで一つに繋がった、そんな思いになりました。

それはなんでもないものは、なんでもない日々に響き、繋がるのではないかと思えたことで、

良いことばかりではない、日々の痕跡や、いろんな感情が綯い交ぜになったものを、愛しく感じられるように生きていけたらなあと思ったことでした。そんな日々の中で形になったものが、使う方の日々に響くものであればという思いでした。

今は、何をしていても、気持ちがフワフワとしていて、感じること、思うことが溢れてきそうな時間を過ごしています。それは人や物との出会いによって、日常と違う空気が入ってきて、大切なものだけが見えたから、輝いて見えるのかもしれません。

ずっとは続かないこの時間を、また灯りへと変え、大切に携えて、なんでもない日々に向かっていきたいと思います。

忘れないようにと記したら、なんだか展示が終わったかのような感じになってしまいましたが、展示は3.1まで続きます。どうもすみません。皆様どうぞよろしくお願いします。https://musubuniwa.jp/