冬に向け

今週に入り、朝晩の冷え込みがまたぐんと進む。辺りの景色も、木々が葉を落とし、河原や道端の草も色を失って冬の景色へと移り変わってきた。霜が降り始めたのも関係あるのだろうか。

紅葉はもちろん目に鮮やかだけれど、枯れ色はそれはそれで美しくて、落ち葉からも温度を感じるものなんだなあと改めて思った。寒くなると自然とあたたかいものを欲するけれど、あまり季節感がない木のものにとっては、もしかすると冬は良い季節なのかもしれないと思う。

あたたかみというと陳腐かもしれないけれど、木の持っている温度を素直に、自然に感じられるようにかたちにしていければ良いよなあと、なんだかあらためて思う季節です。

雪が降る前に今年最後の仕入れに富士の麓へと行ってきました。

だんだん手持ちの材料が少なくなってくると、よけていた材料や、癖のある木を相手に作るようになり、それはそれで目の前の木に向き合えているような気もするのですが、少し窮屈にも感じることもあって、もう少し自由に作りたいなあとも思うようになります。

またこの機会に気持ちを切り替えて冬を過ごしていこうかなあと思っています。

そんな端材で作ったボウルは、粗彫り時は大きな節が顔を出してギクッとしましたが、削り進めると良い感じに落ち着いた表情になってくれました。少しクセのある木は、上手くいけばどこか思い入れのあるものにもなる気がしています。