ゆき

梅の花が開きはじめ、このまま暖かくなるのかなあとの矢先、雪の予報。昼過ぎに降りはじめた雪は、いい降りで、仕事を終えるくらいには20cm弱は積もっていた。時々、庭の木に積もった雪を落としたりしていたけれど、寝る頃には降り止んでいる様子で、朝にはどんな感じかなと不安に思いながら床についた。仕事に行けなくなると妻は心配し、甲府で泊まるとのことで帰らなかった。

朝外を見ると、夜と変わらない様子でほっとして、散歩には行けそうもないので雪を掻いた。筋肉痛で背中が痛くなった次の朝には、少し無理にでもと散歩へ出掛けた。いつもとは違いおじさんと犬しか歩いていない雪道。自分も立派に一員だった。何度もツルツル滑ったが、見る景色そこかしこに目を奪われる。目に留らないようないつもの景色を雪が一部を覆い隠して、目にあたらしい。いつもは見えているようで、みていないのかもしれないな。

展示へ向けお尻に火がつきはじめた時に、ようやっと凝り固まった気持ちが解れ、動きはじめたような気がしている。まだ遅くはないとまた手を動かしはじめた。雪の訪れがありがたかった。