5.25 あんこが旅立ちました。
末期の慢性腎不全との診断を受け、一月あまり、入院に、通院に、本当によくがんばりました。
一つ波を超え、また波が来て、それをまた一つやっと超える、という日々でした。波は次第に早く、より大きくなり、苦しかったろうけど、あんこがくれた時間だったのかなと今はおもいます。
最後の数日は離れ難くて、側で様子を見ながら過ごしました。いつも好きだった座布団も、お日様もどこか居心地が悪かったようで、暗いところ、冷たいところへと這って動きまわりました。
それでも夜はあんこのそばで布団を並べていたせいか、いつも一緒に寝ていた妻の布団に這ってきたそうです。
みている僕もながいながい時間だったと感じていたから、きっとあんこは本当に長かったろうな。もうがんばらなくていいと思うくらいに、がんばり抜いて逝ったので、今頃はいつものように穏やかにいて欲しいと願っています。
7年前の同じ頃、隣の町から家へと迎えました。野良の子が産んだ4匹の子、その一匹を保護してくれた方に譲っていただきました。以前からずっと猫と暮らしたいと話していたので、山梨へ移り落ち着いたタイミングでのご縁でした。
はじめから甘えたがりだった猫は、来たその日から一緒の布団で寝て、いつも側にいてくれました。気が優しくて、穏やかで、繊細で、だんだんと臆病になり、そして頑固で嫌なことは嫌という。
妻がいつも話しかけていたので、言葉は交わせなくても、よく気持ちの通じる家族になってくれました。猫を飼うという意識はやがて消え、猫と暮らすから、あんこと暮らしているって感じがしっくりくるようになりました。
家族なので、いいことばかりでなく、煩わしかったり、やらかしてくれたと思うこともあってあたりまえ。でもそんなことさえも、笑い話になったり、いつも気持ちをまるくしてくれるのだから、ほんとかなわないよなあとおもいます。
あんちゃん、うちに来てくれてありがとう。
家族になれてしあわせだったよ。
かなしいね。いとおしいよ。やっぱりどうしてもさみしいね。
君が来て、去った季節はとてもきらきらしているよ。
ありがとね。