すっかり

8月。ここ最近は9月の展示へ向けてどっぷり制作の日々を過ごしていました。先日出来上がったものたちを送り出して、ようやく少し気持ちが緩んだところです。毎日コツコツやらねばどうしても出来上がっていかないと分かっているから、気持ちは焦ったり、時には窮屈になってしまったりもしてしまいます。のびのびやりたいなあ〜と思うこともあります。

コロナ禍の中でどうしても気持ちが引っ張られる部分を感じたり、離れたところの理不尽なこと、不条理なことに気持ちを乱したりする瞬間があります。でも身の回り、生活はほとんど変わらないんですよね。

今日、新たに形にしたクルミの鉢。いつもは表に使う面に節があり、逆から掘って形にしたのですが、それはそれでいいかなと思いました。クルミは柔らかい印象で、色味も可愛い感じだけれど、気取らない感じが好きな素材です。付き合いを重ねるにつれて、どんな形や丸みや掘りかたなど探りながら、少しづつしっくりとくるようになればいいなあと思います。

昨日nhkでファミリーヒストリーを観ていると、所さんのお父さんの言葉が目に留まりました。

「満足感を常に持つ」家のリフォームをしたいと家族で話している際に、急に立ち上がったお父さんが墨をすり、紙に書いて無言で貼り付けたのがこの言葉だったそうです。他のエピソードからもきっと些細なことや何気ないことから、面白みや、楽しさ、心地よさなどを見つけられる目を持っていた人なのかなあと想いました。でもそれは心の目のようなものかもしれないなあと思います。

不満はいつの間に大きくなり、気持ちを捉えてしまうものだと思います。こういう時だからこそではないのだけど、何気ないことから気付けること、心地よさや愛おしさを見つけられることは、豊かに生きていくために、自分にとって必要なことだなあと思います。