栗の木

「工房からの風」に向けて製作は少しずつ進んでいます。
ひとまず出来上がったものを、しばらく眺めては
また削ったり、仕上げを決めたりと行ったり来たりです。
今回の出展では、刳り物で作った器類が中心です。
家具作りの合間にできた時間に手を動かそう、と始めた刳り物。
当初は、たとえ無駄になってもという決心から始めました。
今までより、手を使い作ることが自然となったことは、
木工の仕事の広さ、深さを感じることを強くしました。
あたりまえの事が新たになっていく感覚、ものづくりの面白さと出会える瞬間です。
その当時、工房に残っていた栗の木が
刳りものを始めることに導いてくれたようにも思っています。
素朴で、普段の生活に馴染む存在感はある意味で普通でいて特別で、
作るときも使っていても、触れると落ち着く感じ。
その感じが少しでも伝わればと思っています。